特別栽培米は、60℃の湯へ10分浸けて殺菌します。殺菌後、水を張りなおし13℃の水に約1週間浸けます。
1日おきに水を替え、シャワーにより籾へ酸素を供給します。通常では、積算温度が約70℃から90℃なのですが、鳥越米の場合は、水がかなり冷たい為、2日から3日多く浸けます。
3月~4月
特別栽培米は、60℃の湯へ10分浸けて殺菌します。殺菌後、水を張りなおし13℃の水に約1週間浸けます。
1日おきに水を替え、シャワーにより籾へ酸素を供給します。通常では、積算温度が約70℃から90℃なのですが、鳥越米の場合は、水がかなり冷たい為、2日から3日多く浸けます。
4月
浸種開始から約1週間後、籾皮が透きとおるようになったら、水を替え、芽出しをする為に32度の水温に設定します。約15時間後に籾がハト胸状態となり、種まきの準備ができます。
この作業でも、やはり水が冷たいことや気温が低い(納屋の周りは雪だらけ)ため、マニュアルより2.3時間多くかかってしまいます。
4月
早朝5時より種もみの発芽を確認後、水で冷却し脱水します。
播種機はお世話になっているKさんからいただいたもので、脱水機は、電器屋さんの友達Hさんから廃棄分を分けていただいたものです(感謝、感謝)。箱供給者、種もみ供給者、播いた箱を積む人の3人で作業します。
4月
専用パレットに積まれた播種済苗を、パレットごとフォークリフトで育苗器に入れます。育苗機内はスチームにより加温され、マイコンにより30℃に保たれるようになってます。
購入時は750枚入りの規格でしたが、不足となり、貧乏人の知恵で1000枚入りに改造しました。全く問題はありません。
4月
育苗器に入れて約3日後、苗が2㎝ぐらい(人間では保育所ほど)になると、育苗ハウスへ搬入します。この時点で、お米のもとは納屋としばしのお別れで、約半年後にまた籾となって戻ってきます。
搬入は自家製パレットトロッコで一輪車は不要です。弊社では、浸種から苗入れの作業を4回~5回繰り返します。
4月
土を休ませる、窒素を逃がさない、球根草を増やさない、積雪が多いことなどから、弊社では秋起こしをせず、春に土を起こします。
10年程前、20m×50m区画の田を15㎝かさ上げしようと建設屋の友達Hくんに聞くと、なんと大型ダンプ50台分でした。実行しませんでしたが、土はやはり財産です。
5月
粗おこし、粗ごなしの後、植え代の締めごなしです。田植えの3日前に終了する計画で、この時点で、春の作業の半分ぐらいですが、疲れがかなり貯まってます。
田植え前の土を慣らすのはこれが最後なので、大変気を使います。ポイントは、表土の下に酸素を入れることと表面の均平です。
5月~6月
田植え当日朝の苗積み込み風景です。通常はハウスに入れてから20日から25日で移植できるそうですが、鳥越米環境は、気温も水温も低いため、30日以上育苗しないと移植できません。苗はあざやかな緑色で出庫します(人間では小学生ほど)。
自家製パレットトロッコのおかげで楽チンです。
5月~6月
いよいよ田植えの始まりです。フル装備田植え機なので、スペシャリストSくんと2人だけの機械作業です。屋根は日よけ用ではなく、雨の肥料シート用として設置してあります。
弊社では20年前から全品種50株植えとしており、よりよい稲環境に努力しています。作業は、代掻きから田植えまでを品種ごとに約4回繰り返し行います。
5月~9月
鳥越最奥の地、五十谷町の田植え後の風景です。水温がかなり低く、苗が活着(根を降ろす)するにのに日数が多くかかります。人間に例えると小学2年生くらいでしょうか。
雨風の強い時や低温の時は深水として苗を守り、雑草が茂らない様にこまめな水管理をして、苗へ"お前を世界一に育ててやる"と思いながら田の水を回り、稲を見てます。
5月~11月
春、梅雨、夏の最低3回刈ります。ほとんどがヒモによる作業です。鳥越城麓 別宮町の方は、年に7.8回刈る方もおられ頭が下がります。病害虫予防や稲株間の風通しの他に、当地の景観も大切です。
私は年々要領を覚えて作業低下してますが、弊社スペシャリストN君などはすごい。見ていると気持ち良くなるほど鮮やかです。
7月
一発肥料が出回る以前は、ほとんどの農家が穂肥えを降ってましたが、今ではごくわずかの農家しか追肥してません。
弊社では、特別栽培米のみこの作業をして、稲との対話を大切にしています。
使用している肥料は、オール有機100%のもので、これがお米の味を決定します。しかし、真夏に2トンも散布するのは正直かなりしんどいです。
8月
移植後、成長し、稲穂が世の中にデビューする寸前の風景です。青稲では、この時期の緑は大変鮮やかです。
稲茎の中には、幼穂がすでに大きくなり、母親の稲の茎に守られながら成長してます。
この時期は、人間に例えると、18歳ぐらいでしょうか。生意気な子供大人のような勢いがあります。
9月
お盆過ぎより登熟する鳥越米は、昼夜の寒暖差が多く、うま味の閉じ込められたお米へと熟成します。一面黄金色で秋の訪れを実感します。
鳥越米の場合は、整粒と品質を大切にする為、完熟一歩手前のギリギリまでガマンして登熟してもらいます。昨今の温暖化により、里の平地では胴割れを懸念し早刈りしますが、鳥越米の環境は長く熟しても大丈夫な環境に恵まれてます。
9月~10月
いよいよ稲刈りです。コシヒカリなどは、市場に新米が出回ってから刈取りを始める状態で、鳥越奥地の為温度がとれず、収穫が遅れます(新米市場は論外)。
また、寒暖差により朝露が大変深い為、刈り取り作業のスタートは午前10時頃です。(2日酔いでも大丈夫)
9月~10月
春に納屋から出て行った籾が、新たな籾(孫)となって納屋へ帰ってきた瞬間です。昔のように天日干しする時間があればよいのですが、費用対効果で合わず、機械に頼ってます。
尚、乾燥しない生米を食べるとやみつきになるほど旨いと言いますが、玄米水分15%で1等というのは人の勝手な都合で、実際には16%以上がおいしいそうです。
9月~10月
乾燥機で乾燥された籾は、6つあるほうぞへと排出されます。その後、1日以上さました後、籾すり作業となります。
籾がらをとり、石を取り、くず米を選別し、色彩選別機で着色米などを除去し、製品化されます。くず米、2番米なども昇降機で連絡し計量器にかかるので、人手はほとんど不要です。
9月~10月
籾すり後のお米は、玄米専用のほうぞに貯められます。もろ製品なので、ほうぞ内は全て保湿性の高い桐の木を張ってあります。
百姓という字は女の生きると書きますが、女性を敬う意味で3代~5代の妻とまな娘の名をシールしてあります。このほうぞのおかげで、米選機にも左右されずフレコンにも対応しており、トイレにもすぐ行けます。
9月~10月
出来上がった玄米のお米です。お米農家に限らず、ものづくりをしている人は、自分が作ったものは世界一だとだれもが思っているのではないでしょうか。そこには、人に言わない苦労がたくさんあり、我が身を削って作られたものだと思うからです。
わが子のように育て収穫したお米は、正直売りたくはありません。しかし、お客様に食べてもらってこそお米が幸せになるとも思っています。